・悪筆や癖字を直したくても何から手を付けてよいかわからない
・悪筆や癖字を何とかしたくてネット情報をあちこち検索。
・姿勢とかペンの握り方とか、手っ取り早くできそうなことから実践しているが全然上達しない…
・そもそもネットに出ている美文字のコツ情報って信用できるの?
癖字や悪筆で悩んでいる方には、とりあえずネット情報から入ってできることから変えたい、そんなワラにもすがる気持ちにもなりますよね。
ところが、あまりに情報量が多い中で手っ取り早く取り組めそうなことから始めたものの、全然上達の兆しすらないとおっしゃる方は多いと思います。
ココに注意
偶然目にしたサイトのみの情報ですべてうまくいくと思ってしまうのは危険
理論の根拠はどこにあるのか、信頼のおける情報筋かどうか
といった見極めをする必要があります。
そうしないと、いつまでも癖字や悪筆の改善の糸口が見えず上達しないままになってしまいます。
この記事で紹介する情報を参考にすれば、ネットなどにあふれる情報の中から共通して提唱されている「きれいな字を書く方法」を知ることができます。
プロの書道講師によるコメントや書道史上常識とされている見解を中心にまとめてあります。
きれいな字を書く方法 ~基本編~
文字を実際に書く前にちょっとチェックしてみてください。
きれいな字を書くための正しい姿勢
「きれいな字と姿勢に何の関係がある?」
「知りたいのは姿勢でなくて文字なんですけど…」
と思われる方もいるでしょう。
実は、癖字や悪筆、手本を見てもなかなか美文字をマネできないというのは、ペン先にばかり注意が行く人に多いのです。
ペン先ばかり見えればよいので、楽に書くため姿勢が傾くのです。
紙全体を広く眺め、次に自分のペンをどちらに運筆すべきか、という先を読むことが美文字の秘訣なのです。
ココがポイント
★正しい姿勢は・机と体はげんこつ1個分離す
・ペン先はお腹から30cm位離れたところ&真正面から4~5cm右側へ
・手首~小指下の筋肉は机上に軽く固定し、肘は机に付かず自由に動くように
・背筋は斜めでなくまっすぐに。
・ペン先が見えるような位置に紙を置く(右利きなら右脇の延長線上に紙を置く)
この姿勢をとらず紙を真正面に置くと
手で隠れたペン先を見ようとして体が斜めになり文字列も斜めに、文字の形も斜めになりがちです。
きれいな字を書くための正しい握り方
ペンの持ち方も正しくすることでお手本通りの字を書きやすい、ペンが自由に動ける握り方に変わります。
ココがポイント
★正しい握り方は・卵をふわっと握る感じで親指と人差し指に軽くペンを挟み中指・薬指・小指をペンに添える
俗にいう「卵持ち」と言われているペンの持ち方です。(ペンは用紙に対して60度位立たせる感じで)
特に小指を強く握らない
強く握るとペンの可動域が狭くなり文字を書き進めるたびに手首を動かさなくてはならず
文字が斜めになる、文字列も斜め上に上がってしまうという弊害が。
★ここに注意!勘違いポイント!!★
姿勢や持ち方を変えたから自然に美文字になるのではありません。
ココがネット情報で勘違いされやすいポイント。
手本の美文字を映像として脳に記憶させ、その映像通りの線を書くためには、姿勢やペンの持ち方を変えることでペンの可動域を広げなければなりません。
思うところにペンを運筆する力が付かないと、インプットした通りの美文字が書きにくいということです。
きれいな字を書く方法 ~実践編~
きれいな字形
完璧な楷書として名高い、中国の古典『九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅうれいせんのめい)』から富澤敏彦先生が楷書に必要な3つの法則を解明しました。
文字の横画が水平から6度右上がりになるとキレイにみえます。(時計の15分が水平とすれば14分の位置ですね)
それより上がり過ぎ・下がり過ぎは癖字・悪筆です。
例えば「木」という字の場合、左のはらいよりも右のはらいをやや下方へしかも長めにします。
右上がり六度法で右上がりになった文字のままではバランスが悪く傾いたままになるので、右下の画を下げ、長めにし、重心のバランスをとっているのです。
1つの文字の中の隣り合うすき間は同じ大きさのスペースをとるとキレイにみえます。
例えば、「川」「山」の縦画の間や「三」「日」の横画の間のスペースは均一に保ちます。
まずはこの3つを意識するだけでも字形はガラリと変わります。
ココがポイント
★美文字のコツとして他にもこんなポイントが
・毛筆のように書き始めの打ち込みを45度にペンを入れてみる
・毛筆のように「はね」「はらい」の前に一旦立ち止まって次に進む余裕を持つ
・角のある文字を勝手に丸く書かず一旦とめてしっかり角を書く
・ひらがなは見えない線も一筆書きのように続けて書く意識でペンを動かす
以上のようなことがすべての文字に共通する美文字のコツとなります。
きれいな文字配列
文中の漢字を大きめにひらがな・カタカナは小さめに
活字では全ての文字が同じ大きさ。
ですが、手書きは違います。
サイズの黄金比率として
ココがポイント
「漢字:カタカナ:ひらがな」は「10:8:7」が読みやすい
ということをプロが提唱しています(日本書道教育連盟・高宮暉峰<きほう>先生)。
数字やアルファベットもカタカナと同じ大きさがベスト。
情報量の多い漢字を大きめに固有名詞の多いカタカナはその次、助詞など文のつなぎ言葉のひらがなは目立たないように小さめに、という理由によります。
文章を読んだ時に情報が入って来やすいことに配慮された大きさです。
文中の文字間隔を均等にとる
字間が狭すぎれば読みにくく、圧迫感が。
均一でなく変なところで間が空くと意味のつながりが途切れてしまいます。
中心線を揃える
縦書きでも横書きでも文字列は「中心線」を揃えることを意識するだけで文が蛇行しません。
年賀状の宛名書きには必須のスキルですね。
横書きの場合、「下の線」に合わせて文字を並べて書く方法もありです。
NHK Eテレ『すイエんサー』で放送の「練習いらず!キレイな文字を書く方法」とは!?
NHK Eテレの教養バラエティ番組『すイエんサー』で、きれいな字を書く方法について番組でわかりやすく説明していました。
練習いらずの“極意”とは…?
ココがポイント
【極意その1】文字の中のすき間を意識!
人は文字を見る時、線や点ばかり見ているのではなく「すき間」が等間隔になっていると美しいと感じるのだそう。
番組では「様」という字について、タテ画とヨコ画で仕切られたお隣どうしで、同じ大きさの〇が描ければ美しく感じることになると説明していました。
ココがポイント
【極意その2】すべての文字の形はいずれかのパターンに分類できる!
漢字・カタカナ・ひらがなのどの文字についても美しいとされる次のどれかの形に分類されるのだそう。
美しい文字のイメージが浮かべやすくなりますからこれは使えそうです!
パターン1 □(正方形)…「雨」「都」「代」「区」「内」「お」「セ」など
パターン2 ◇(ひし形)…「幸」「冬」「千」「今」など
パターン3 縦長長方形…「耳」「糸」「う」「キ」など
パターン4 横長長方形…「皿」「四」「田」「以」「ぬ」「つ」など
パターン5 △(三角形)…「丸」「点」「東」「え」「ス」など
パターン6 ▽(逆三角形)…「百」「右」「京」「す」「ツ」など
パターン7 〇(円形)…「の」「め」など
ココがポイント
【極意その3】ひらがなを漢字より小さく書く!
画数の少ないひらがなは文字内の空間が広いため、同じマス目に書いても漢字よりひらがなの方が膨張して見えてしまうのだそう。
これは目の錯覚なんですね。
文字のバランスがきれいに見えるように漢字よりひらがなを小さめに書くのがコツ。
以上の3つの極意で、美文字へ一歩前進できるのだそうですよ!
さらに、書家の武田双雲氏が番組内で次のような美文字のコツも公開していました。
◎漢字のヘンは小さめにツクリは大きめに書く
◎漢字の上下のバランスは2:3(頭デッカチは格好が悪い)
・・・などなどです。
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きれいな字を書く方法のまとめ
・正しい姿勢や正しい持ち方をしたからといって自然に美文字になるわけではない。運筆しやすくするための準備である。
・実際にきれいな文字を書きたければ【字形】と【文字配列】に気を付ける
・【字形】でのポイントは「右上がり六度法」「右下重心法」「等間隔法」
・【文字配列】でのポイントは「文中の漢字を大きめにひらがな・カタカナは小さめに」「文中の文字間隔を均等にとる」「中心線を揃える」
・文字は全ていずれかの形のパターンに当てはまり美文字をイメージするのに便利
» 字が汚いことでつらい思いをした人は「字が汚いから直したい人必見の記事」をチェックしてください。
» 右上がりの字を克服したい方は「右上がりの字を書く人は必見!」をチェックしてください。
字が汚い人はなぜ損してしまうのか?
字が汚いということで、悩んでいる人は、字が汚いことで損をしたという経験があると思います。
なぜ字が汚いと損をしてしまうのでしょうか?
それは、字が汚い人は、○○な人というような印象が世間一般にあるからです。
字がきれいな人の印象は、きちんとしているとか、頼りになりそう、仕事ができそうというようなイメージがありますよね。
反対に、字が汚い人は、だらしない感じがする、頼りにならない感じがする、仕事ができなそうなどのイメージがあると言われています。
どれも、マイナスな印象だと思いませんか?
字が汚いというだけで、このような印象を持たれてしまうのは損ですよね。
字は性格が出ると言われていることもあるので、どうしてもそのようなイメージを持たれてしまうことが増えるのです。
しかし、現代では手書き文字を人に見せるという機会は減ってきています。
パソコンで文字を入力することが多いですし、メールでやり取りすることが多いので、自分が書いた文字を、人に見られることはあまりないし・・・と安心してしまっている部分もあるでしょう。
しかし、万が一人に見られることがあった時、あなたのこれまでの印象が、文字で一気に変わってしまうかもしれないと思ったら、やはり美しい手書き文字が書けるようになっておきたいですね。
なぜ字が汚いのか?手書き文字が汚くなった理由とは?
あなたの字が汚いのはなぜなのでしょうか?
生まれつきだよ、昔からだよという人もいるかもしれませんね。
しかし、練習していれば、ある程度キレイに書けるようになっていたかもしれません。
みんな最初から上手に書けていたわけではないのです。
小学校に入学して、文字を書く練習をして、それで上手に書けるようになっていきます。
その時、もしかしたら練習をあまりしていなかったかもしれませんね。
また、昔はきれいだったけれど、最近汚くなってしまった・・・という人もいるでしょう。
その理由は、手書きすることが極端に減っているからです。
最近、手書き文字を書く機会はありましたか?
書類などもパソコンで入力して完成させてしまうことがほとんどですし、手紙を書くことも減っています。
年賀状もプリントしてしまえば、手書きであて名を書くこともないでしょう。
このように、字を書くことが減っているので、正しい文字の書き方も忘れてしまっているということが挙げられます。
字は、書く機会が多いほど、きれいに書くためのコツもつかめてくるものなので、できるだけ日常生活で、手書き文字に触れる事で、美しい文字とはどのようなものなのか、知っていくこともできるでしょう。
字が汚い人は、これからでもきれいになる?きれいな文字を書く方法
なぜ自分の字が汚いのか、理由は分かっていただけたと思います。では、字が汚い人は、これからでも字をきれいにしていくことはできるのでしょうか。
答えはイエスです。
字が汚いと悩んでいるあなたも、練習をすればきれいに書けるようになっていきます。
今は、デジタル文字を見る機会が多いので、どうしても正しい文字自体が忘れられてしまっています。
まずは、正しい文字、美しい文字に必要な線の書き方から、しっかり習得していきましょう。
ボールペン字講座や、ペン習字講座では、正しい書き方のお手本が提供されます。
お手本を見て、その通りに練習するだけで、あなたの文字の癖が取れていき、きれいな字を書けるようになっていくのです。
ただし、練習は必要です。練習をしなければ、きれいな文字を書けるようになることはありません。
1日10分でも良いので、毎日手書きの練習をしてください。
そうしていくと、だんだんと自分の字が変わってきていると気が付くと思います。
ボールペン字講座や、ペン習字講座は、色々な種類がありますので、あなたが書いてみたいと思える文字を手本にしている講座を探してみてくださいね。
きれいな文字を書けるようになれば、あなたの印象も変わるでしょう。